2020年1月21日 (火)

ディリリとパリの時間旅行

 昔はねぇ、熱心にブログを書いてたもんですよ、ええ。おかげさまでごくごくローカルな反応ながら、お客様に楽しんでいただけてる感触はありました。でも、いろいろと思うところありまして、このごろは更新控えめでお送りしております。

 ・・・何の話かって?いやそんなわけで、好きでちょこちょこ観ている映画の話題もずっとブログに書かなかったんですが、先日宇都宮のヒカリ座で観た「ディリリとパリの魔法時間」があまりにも素晴らしすぎたので、これはもうぜひご紹介したいと。

200121dilili なにしろまず、映像が夢のように美しい。 音楽も心から酔いしれるように美しい。ストーリーも胸ワクワク。ベル・エポックの実在の芸術家・科学者・天才・異才・学者・知識人が総出演。知的好奇心が刺激されまくり、問題提起にそうだそうだと熱くなり、そして涙腺ウルウルのシーンも。アニメーションに限らず、今まで見た映画の中でも、自分にとってひときわ特別な作品のひとつになりました。

 それにしても19世紀末から20世紀初頭のパリ。数えきれないほどの才能が集まり、凝縮されて化学反応を起こし、ついには沸点に達したと申しましょうか、とんでもない文化的なカオスであったことを、この映画は見事に描いています。

 また、人物のセリフも憎い。ロートレックはロートレックのように、ピカソはピカソのように、会ったこともないのにおそらく彼らはこんな人だったんだろうなぁと説得力満点の描写。まるで観客の自分がそこにいるかのようですよ。

 ストーリーは二重三重の深みを持っていますし、現代に通じる風刺、やや猟奇的な描写など、かわいい・きれいだけの作品ではなく、子供は子供の感受性で、大人は大人の解釈で、どの世代でも楽しめる作りになっています。と、私は思います。

 さて、ここまで書いておいてなんですが、私のような素人が利いた風なことを言っても、この映画の魅力は全然伝わらないと気づきました。興味をお持ちの方は、ぜひご鑑賞ください。損はさせません。なにしろ、当店のブログは自己出資で、広告なしですから、記事を書いても一銭にもなりません。それなのにお勧めしちゃうんですから(笑)。

2020年1月 7日 (火)

今年もよろしくお願いいたします

 明けましておめでとうございます。

2020nenga_hp_top_s この年末年始、たいへん多くのお客様にお越しいただき、もう無理というくらい忙しくさせていただきました。コーヒー屋冥利に尽きるとはこのことです。

 で、大みそかは午後4時にラストオーダー、5時に閉店し、弟が手配してくれた名店のお蕎麦を茹で、家内が所用をこなしている間に私が鶏と葱のつゆをこさえて、紅白歌合戦を観ながら家内・娘と無事年を越しました。

 しかしなんですね、ここ数年の紅白歌合戦。NHK的に「結局さぁ、どう作っても誰かしらなんか言うしなー。好きにやっちゃえばいいんじゃね?」と開き直ったのか、マジョリティーな視聴者をかえりみない感じで、ある意味スリリング。私個人的にはその「秀才がトチ狂ったような演出」は意外に楽しめます。ま、出演者のかなりの人をよく知らないんですけど(笑)。

 紅白はその年を代表する歌を、歌手を出すもんだ、という批判記事を読みましたが、私が思うに、嗜好も価値観も限りなく多様化・再分化した現在、国民の総意で今年を代表する歌だという一曲は、もうすでに存在しないのではないかと。ゆえに視聴者それぞれ、その世代世代、立場立場で互いに知らない歌手がごちゃまぜに出演する近年の紅白は、「拡散に加速度がつき、混迷を極め、もはやひとつには戻れない時代」をはっきりと映し出しているのではないでしょうか。であれば、紅白歌合戦は結果的にちゃんとその年を総括していると言えましょう。

 ・・・なんでこんなこと書いてんだ、俺(笑)?

 ともかく、そうこうしていて年が明け、お雑煮やおせちを家族でしみじみ食べました。実家にあいさつに行き、初詣に出かけ、撮りためたTV番組の録画をゴロゴロしながら消化し、家内の実家にもあいさつに行き、宇都宮で身の回りのものやら店の備品やらお買いもの。新年の開店前に墓参り。娘は新学期のため戻って、そんなふうな2020年のスタートです。

 みなさま、本年も自家焙煎珈琲のHakoyaをお引き立てくださいますよう、心よりお願い申し上げます。

2019年12月21日 (土)

今年もクリスマス

 ら~すくりすまー、あ、げびゅまはー。というわけで、クリスマスも近付くこのごろ。皆さまいかがお過ごしでしょうか? 

 太古の昔、かのバブル時代。クリスマスと言えば、世間はそりゃもう大騒ぎで、キリスト教圏の情報をなんでもかんでもごった煮にしたうえ、日本独自のとってつけたような解釈で仕上げたもんだから、「ここは一体どこの国だ?俺は何をしている?俺はいったい誰だっ!?」と、我をも失う狂乱状態でした。いや、私は時流に乗れず途方に暮れてたって話で・・・、世間の人は、なんだか楽しかったそうですよ(笑)。

 ひるがえって最近は不景気のせいかなんなのか、街中はわりとささやかに、と言いますか、自分たちらしくクリスマスを楽しもうといった風情に感じられます。個人的には、こういう小さな幸せっぽい雰囲気のほうがしっくりきます。デラックスやゴージャスなイベントを否定するつもりは毛頭ありませんが、I'll Be Home For Christmasなんて歌もあるくらいですから、家族や親しい人となんとなく笑顔でいられたらいいなと思うのであります。

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 とはいえ、うちのディスプレイ部長家内が季節感は大切よということで、店舗や庭、カフェで提供する飲み物やケーキのしつらえなど、クリスマスモードに飾りつけました。商品もですね、ちょっとおしゃれな海外のお菓子や食器を年末年始用に仕入れてみました。

 皆さまにはぜひご来店のうえ、クリスマスの雰囲気でおくつろぎいただければと思います。では、また。

2019年12月11日 (水)

通販お届けに関してのお知らせ

 贈答用・業務用などの御注文が集中しているため、まことに恐縮ですが、お急ぎの納品には対応が難しい状況です。

 やむを得ず、通信販売御注文分の発送は、通常より1~2日お時間をいただきたく存じます。
 
 ご不便をおかけし恐縮です。なにとぞよろしくお願いいたします。

2019年10月11日 (金)

俺はなんて甘いんだろう

 お世話になっている教育者の方からお便りをいただきました。お便り自体は時折お知らせくださる近況報告なのですが、私としては深く思うところがありました。

 なんと言うのでしょう、先生の就かれているお仕事の重責に比べ、まず私は恵まれすぎていて、そしてそのありがたみを忘れていたなと今更ながら気付かされました。べつに先生はご自身の仕事のたいへんさを知らせてらしたわけではありませんよ。先生が現在、弱い立場の子供をケアしているという話を読んで、こちらが感じたことです。

 私はまあまあ健康で、やるべき仕事を持ち、儲けることは不得手ですが食えないこともなく、そこそこの趣味や買い物を楽しんでいる。これこそ恵まれた人生ではないでしょうか。

 しかし、とかく人は、と言うと語弊があるので私に限って言えば、その恵まれていることが「普通」になり、少しばかりのトラブルや気に入らないことを、おおげさに気に病んで不平不満をこぼしている。世の中には、その人のせいではないのに、不当に恵まれなかったり、理不尽な人生を余儀なくされている方が、やはりいるのです。

 その方たちを思うとき、私の理屈はすべてたわごとです。

 具体的に応援の手を差し伸べている職務の方たちには、深い敬意を持ち、この世界の子供たちみんなが、それぞれの場所で輝くことを祈ります。またせめて、自分の暮らしくらい、感謝を持って全うしていきたいと考えた今日でした。

2019年7月 3日 (水)

自転車 a Go Go! ・その4

 なんだかんだ時間を見つけちゃあ自転車に乗っているこのごろであります。

 で、休みの日にのんびり愛車で街中やら田舎道やら流していると、なにやらテーマといいますか、「自転車に乗る理由」みたいなものが見えてくるものなんですね。ま、他の人にはどうでもいい話なんですが、お暇な方はおつきあいください。

 おおげさに言うと、自分は解放されたいんだなぁと思うわけです。自転車競技やバイシクルフィットネスに一切興味がないにもかかわらず、この歳になって急に自転車に乗りたくなったのも、流行りのロードバイクではなくサイクリング車を選んだのも、その自転車にスピードを出すための(頑張るための)装備を付けなかったのも、つまり、振り返れば「目的がないことを目的とした時間」がほしかったんだなぁと。・・・理屈っぽいですかね?

 よって、自転車で出発するときは、まったくのノープラン。うーん、お昼なに食べようかな、くらいは考えますが、結局決まらずなにも食べずに帰ってきちゃったこともありますよ。でもそれならそれで楽しいんだ。

 あれ?この道どこに続くんだ、と走っているうちにとんでもなく遠くに来てしまって、今からこの距離を帰るの、俺?と愕然としてみたり。ああ生産性の無いバカバカしい一日って、なんて素敵なんだろう、とかね。

 なにしろ近ごろ、とかく窮屈じゃないですか。休みの日に自転車に乗って自由に過ごしたつもりでも、コンビニでポイントカードを出せば、どこで何を買ったか先方に知られるし(まぁ知られてもいいんですが)。道行く車のドライブレコーダーには、写りこんでるし(まぁ撮られてもいいんですが)。ケイタイのGPS機能ってやつはその日の行動がわかるんでしょ?(犯罪に手を染めないので、わかったっていいんですが)。

 いいんですがいいんですがと譲歩しているうちに、未来に向かって少しずつ自由じゃなくなっていくような気がして、どうにも息苦しく感じるのは僕がオカシイのかしら?

 そういうこともあってですね(どういうことだ?)、たぶん、この21世紀になけなしの自由を体感するために自転車に乗っているんだろうと、そんな話でした。取り留めがなくなりました。続きは後日。それでは、また。

2019年5月 3日 (金)

GW

 10連休ですか?むやみに長い今年のゴールデンウィーク。皆さまいかがお過ごしでしょうか?

 当店もはりきって営業しております。混雑で御席を用意できなかったお客様がた、カフェの早じまいでお帰りになられたお客様がた。申し訳ありませんでした。

 かと思えば、今日のカフェはそれほどでもない御来店数で、御席あります(笑)。調子が狂っちゃいますネ。もっとも、私は業務用卸売りコーヒー豆の用意、家内はスイーツの仕込みと、忙しくしていることに変わりはありません。

 さて、この四月から定休日を変更しましたが、もうひとつ変更したことがあります。お子様用の御用意を無くしました。理由はいろいろありますが、つまり「Hakoyaのような店に来ても、お子様自身は嬉しくない」ということです。子どもはやっぱり、パフェやケーキが何種類もあったり、ときにはオモチャがもらえるようなお店に行きたいんですよ。

 「いや、俺はケニアをブラックでやりたいね」という三歳児がいたらそれはそれで見てみたい気もしますが、まず存在しないでしょう。

 当然のこと、店内で騒いだりグズッたりすれば他のお客様に御迷惑ですし、備品を壊されれば私たちに被害が及びますし、親御さんによっては子どもの飲み物食べ物は持ち込みますと言いますが、これをOKしては、そもそも商売ではなくなってしまいます。それに子どもが大泣きしたり、なんとか飲めそうと注文したココアを盛大にひっくり返したりした日には、親御さんもカフェでほっこりどころではないでしょう。

 なにか「お子様用の御用意はありません」というと、私共が心の狭い意固地な店だと思われるようで不本意なのですが、そうではありません。お子さま本人、他のお客様、店側、親御さん。皆さんの心の平安のために、苦渋の選択をした次第です。ご理解ください。

 ということで、GWはまだまだ続きます。しまっていこう!では、また。

2019年3月12日 (火)

ノーコメント

 少し前のことですが。あるお客さんが来店しまして、「Hakoyaのコーヒーの焙煎は、浅いか深いか?」との質問。

 その方いわく、某自家焙煎珈琲店のオーナーが「コーヒーは浅炒りでフルーティに楽しむもの。深い焙煎の店はコーヒーのことがわかっていない」と言ったそうです。

 ま、焙煎する人間が十人いれば、十通りの考えがありますからね。「コーヒーがわかっている」とか「わかっていない」とか、マニアにとっては重大な問題かもしれませんが、私らプロにとってはそのような抽象論はどうでもいい話です。一応「深炒りのほうでしょうかね」とだけ答えました。

 おそらく、そのオーナーは自分のポリシーを表明しただけでしょうし、そのお客さんも仕入れてきた情報を開陳したいだけでしょう。そもそも本当にそのオーナーが深炒り焙煎の店をディスるように言ったのか、このお客さんの脚色か、真相を確かめようもありません。よって、失礼ながらコメントに値しない話となります。

 無邪気といえば無邪気、よくあるといえばよくある出来事。ただこの手の話、悪く転ぶとたいへん危険なんです。あくまでも例ですが、私がこのオーナーに対して「Hakoyaは深めの焙煎の店だから、あなたHakoyaはコーヒーがわかっていないと言いたいんだね」と受け取る可能性もあるわけです。あ、もちろん私はこんな意地悪に取りませんよ(笑)。

 つい先日も、違うお客さんですが、他店のコーヒー豆の味がこれこれこうなんだが理由を教えてくれと訊ねられました・・・。あのね、わかりますかいなっ!どんな生豆をどんなふうに焙煎してるんだかも見ていないのにっ!

 危険というのはこれです。コメントなんかできないっすよ。

 うかつにこのお客さんになんか言ったとするでしょ。うちで他店の話をする人は、もう絶対他店で私の話をするはず。で、絶対正しく伝わらないんだ。「Hakoyaがお宅の豆をこういうふうに言ってた」と話題にされた日にゃ、作りたくもない敵を作っちゃいます。

 このように、仮にお客さん自身になんの悪意もなかったとしても、無邪気な伝書鳩となって双方の店に確執の種をまいてしまう公算が大きい。

 当事者にしてみれば、無邪気だったではすまされません。

 店同士がお互いイラッとしたところで、伝書鳩さんは「ポポッ?なんでイラついてんの?」と、それこそ豆鉄砲食らった顔しておしまいでしょうしね。むなしいわぁ。

 話は長くなりましたが、そのような次第で、とくに他店に関して私に何か訊かれても、一切ノーコメントです。愛想がなくてごめんなさい。お客様も大切ですが、自分と同業者も大事なの。では、また。

2019年3月 2日 (土)

定休日変更のお知らせ

 いつもご愛顧をたまわり、まことにありがとうございます。定休変更のお知らせです。

 本年4月より、定休日を「毎週木曜」「第4月曜」にいたします。

 開業15年目にしての変更ですので、定着するまで御不便をおかけしますが、なにとぞよろしくお願いいたします。

2019年2月21日 (木)

自転車 a Go Go! ・その3

 なにが問題かと言いますと、要するに私が希望する自転車のイメージがお店の御主人にもうひとつ伝わらない様子。

 通常、オーダーで自転車を別注する場合、レースに出たり峠を登ったり何百キロも走破するために、より速く・より軽く・より精密な車両をコンセプトに、パーツを選び組み上げるわけです。もしくはハイテクを狙わない場合、こだわりのビンテージパーツを集めて、通をうならせるレトロ調サイクリング車を現代によみがえらせたりするわけです。

 それに対して私が希望する自転車は、オーダーを受けるほうにしてみれば「なんで安くないお金をかけて、わざわざ速くない自転車を作るの?レトロ復刻でもないんでしょ?」となってしまうようです。無理もありません。

 私としては「のんきに走りたい」という、これ以上ない明確なコンセプトがあるのですが、「○○社の××」みたいに例に出すちょうどいい車種も思い当たらず、途方に暮れました。

 そういや俺、昔っからなにやるにも、なに作るにも、伝わらないんだよなぁ、はみだすんだよなぁ、どうせそういう星のもとに生まれついたのさ、ちぇっ・・・などとイジケていても始まりません。期せずしてオルタナティブになってしまう自分への疑問はひとまず置いておいて、「とにかく仕様書の通りに作ってください」と、半ば押しつけるようにオーダーしたのでした。

 実は、最終的な完成形は、ドイツの工業デザイン・バウハウスのような仕上がりにしたいという、もうひとつのコンセプトがあったのですが、これ以上お店を「え、一応サイクリング車なのにフランス風でもイギリス風でもなくドイツ?」とたたみかけるように混乱させるのは得策ではないと判断し、隠しテーマとして仕様書に託しました。

 紆余曲折ありながら仕様書を提出後、見積もりがあがってこないまま季節は初夏へ。そう自転車のハイシーズンです。依頼したお店の御主人はなにしろ腕利きのメカニック。自身の顧客の対応の他、プロチームのメンテの仕事など多忙を極め、おそらく私の自転車どころではなくなっている様子。

 まぁ、私の謎のオーダーに気乗りがしないというのもあったんじゃないかな(笑)。ともあれ秋口に入りオーダー制作の具体的な見積もりが完了したとの連絡がありました。

 続く・・・かもしれない。

«自転車 a Go Go ! ・その2

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