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2016年2月

2016年2月13日 (土)

切れ味

 最近、刃物に凝っています。・・・まぁ、通報する前に聞いてください。台所に何本か包丁があって、ウチの場合カフェの厨房にも何本かぺティナイフなんかがあります。

 で、たまに研いだりするんですが、すると、私という同じ人間が同じように研いだはずなのに、その刃物それぞれにより、切れ味がビシッと回復するもの、いまいち戻らないものがあります。また、研いだ後に切れ味が長続きするもの、すぐナメるもの、その違いもあります。へぇー興味深いなぁと、おもに包丁について調べ始まったら、これが実に面白い。

 要するに、切れ味が良く、研げば元通りに回復し、切れ味が長持ちする。こういう刃物が「優れた刃物」と言えます。刃物は基本的に道具ですから、品質が良ければ良いほどありがたい。

 しかし、こと包丁で言えば、切断するのは食材です。「食材って柔らかいもん、とりあえず切れればいいよね」といった意見もあろうかと思います。

 でもね、いやいやそうじゃないんだよとばかり、包丁の品質に人生を、己の存在をかける人たちもいるんです。このドラマがまた面白い。

 たとえば素材の金属。この金属だけで、おびただしい種類があり、さらに今日も理想の刃物用金属を求め、金属メーカーの技術者の皆さんが研究に研究を重ねています。

 たとえば熱処理など金属加工。どんなに高品質な金属でも熱処理(高温にせよ低温にせよ)次第で、氷の刃にもナマクラにもなります。

 たとえば鍛錬・組み立て・刃付け。それこそ職人技の世界。テレビ東京「和風総本家」なんかで時折見ますけど、理想の製品を作り上げるために一心に打ち込む姿。私、必ず泣いちゃいます。

 そのほかにも、使い心地や美しさを追求するデザイナーや、製品の魅力を消費者に伝える販売店。本当に多くの人たちが、「肉や魚や野菜を切るための道具」に、持ちうる限りの英知・熱意・努力・プライドを注ぎ込んでいるわけです。

 「えー?切るのキャベツとかでしょ?なんでもいっしょじゃん」とおっしゃいますか?・・・違うんです!繰り返しましょう。違うんです!!・・・ま、そんな力むこともないんですが(笑)。楽しいんですよ、いい包丁のほうが、料理していて。きっと仕上がりだっていいはず。

 料理、または他の分野でも、とにかく完成品(目的達成)が主役だとすると、作業のための道具は脇役です。しかしその脇役を少しでも輝かせるための精進。そしてそれを自分の普段の仕事として、淡々とこなしている道具作りの方達。深い尊敬を禁じえません。

 さて、ここでコーヒーの話。長かった(笑)。ひと口にコーヒーと言っても、「黒くて苦い水ならOK」という価値観もあるでしょう。スペシャルティコーヒーと黒くて苦い水と、どちらが偉いのかは、状況や事情によって判断が難しいので、ここでは問いません。

 ただ、もし生活のちょっとした一場面にコーヒーが必要だとするならば、そのコーヒーは優れた品質のほうが、たぶんより豊かなひとときになると考えています。よって、当店はそのために存在したいものだと願うのであります。

 刃物の切れ味にせよ、コーヒーの旨さにせよ、作り手は何故、品質を追求してしまうのか?それは、つまり、使う人や味わう人を笑顔にしたいからだよ。という話でした。

 あんまりかっこつけると突っ込まれてメンドくさいので、このへんで。では、また。

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